社内研修が無駄・意味ないと言われる理由とは?効果がある研修のコツや次のステップも解説

新入社員に対しておこなう「社内研修」は、ただ実施すればよいというわけではなく、社員にとって無駄にならないものにしなければなりません。しかし、受講者から「無駄だった」「意味なかった」と言われてお困りではないでしょうか。
そこでこの記事では、企業が開催する社内研修が無駄・意味ないと言われる理由や、その解決策についてわかりやすく紹介します。また社内研修に限界を感じている企業ができる「次の施策」も説明しているので、ぜひ最後までご覧ください。
社内研修が無駄・意味ないと言われる理由とは?
なぜ受講者から「社内研修は無駄だった(意味なかった)」と言われてしまうのでしょうか。まずは、受講者にそう思われてしまう理由を3つ紹介します。
【理由1】研修内容を具体的に決められていない
社内研修の内容について、次のように具体的な理由や効果を考えずに実施すると、受講者から無駄だった(意味がなかった)と思われやすくなります。
- とりあえず業務の基礎知識についての座学だけを実施する
- 課題を出し、受講者の自主性に任せてほったらかしにする
- 教材だけ渡して社内研修と言いながらも自主学習を実施する
「なぜ社内研修を実施しているのか」「研修を通じて何を学んでほしいのか」などを具体的に決めたうえで動かなければ、受講者が会社のやり方についていけません。何も計画せずに「〇〇をやらせとけばいいんじゃない?」と発案された社内研修は、受講者から無駄だと感じられやすい点に注意してください。
【理由2】自分の知識・スキルにあっていない
実施する社内研修の内容が、受講者がもち合わせる知識・スキルにあっていない場合に、参加したけど無駄だった(意味がなかった)と思われやすいです。
例えば厚生労働省が公開している「働きやすい・働きがいのある職場づくりに関する調査報告書(平成26年5月)」によると、希望する内容とは異なる研修内容を開催する企業では、働きがいがあると感じてくれる受講者の割合が20%も減少することがわかりました。

その結果、受講者のやる気が起きず、研修の内容に耳を傾けてくれなくなるといった問題が発生します。特に、最初から知識やスキルがある人材などは、社内研修の内容が簡単すぎる影響で、無駄だったと感じてしまうことも少なくありません。
【理由3】座学だけで現場に活かせない
教材を用意し、学校の授業形式で座学のみを実施する社内研修も、よく無駄だった(意味なかった)と思われがちです。なぜそう思われてしまうのか、以下に理由をまとめました。
- 研修内容についてすでに学校(大学・専門学校)等で学習済みであるため
- 座学の内容がどう仕事に直結するかイメージできないため
- 教育に慣れていない上司が対応するため
企業によって理由は違いますが、実践に役立つ知識・スキルでなければ、座学が無駄だと思われてしまうかもしれません。受講者に実践活用までの流れを正しく伝えられなければ、うまく現場で活かせず、無駄だったと思われてしまう点に注意してください。
「無駄」「意味ない」と言われやすい社内研修の特徴
前述した理由のなかでも、特に社内研修が無駄だったと思われやすくなる特徴を3つ紹介します。自社で対応している社内研修の内容・状況にあてはまる項目がないかチェックしてみてください。
【特徴1】忙しい上司が講師をしている
一般社員が社内研修を担当しつつも、メインの業務で忙しい場合には、社内研修の質が落ちてしまうことに気を付けなければなりません。メインの業務が忙しい関係で次のようなマイナスリスクが発生します。
- 社内研修の内容が雑になる(クオリティが落ちる)
- 受講者が気軽に質問できなくなる
高品質な社内研修を準備できたとしても、担当する社員がメイン業務に気を取られてしまうと研修の品質低下を招きます。また気軽に質問できず「後にしてほしい」「時間ができてから対応する」と言われてしまい、受講者が放置気味になってしまうかもしれません。
そのため、社内研修の担当者は忙しい上司を避け、時間にゆとりのある社員に担当してもらうことが重要です。
【特徴2】目的や効果を共有できていない
無駄だったと言われてしまう社内研修に多いのが、実施目的や効果を受講者に共有していないケースです。
企業側に「業務の〇〇で役立つ知識を身につけてほしい」という想いや考えがあっても、それを伝えていなければ、受講者は訳もわからず研修を受けなければなりません。その結果、受講者の記憶に研修内容が残らず、業務が始まった時点で「学んだことを活かせない」という状況ができてしまいます。
実際に文化庁でも、次のように目的等の説明の重要性が紹介されています。
「例えば、誰かと面談の約束を取り付けたいとしましょう。まず、いつどこで、なぜ会いたいのかなど、内容を正確に伝える必要があります。日時と場所を言い漏らしたり間違えたりすれば、会うまでに至らず、目的や理由をきちんと筋道を立てて説明できなければ、相手の了解は得られません。」
社内研修の目的や実施の背景などを伝えておかなければ、受講者はその先の目的がみえず、混乱してしまうかもしれません。無駄だったと思われない社内研修にしたいなら、自社の業務内容のどこに活きる知識・技術なのかを伝えながら研修を進行することが大切です。
【特徴3】受講者(新入社員)をフォローアップできていない
社内研修はただ開催するのではなく、研修中・研修後のフォローアップに取り組まなければ、受講者の一部から無駄だったと思われてしまうかもしれません。
特に複数名を対象とした社内研修の場合、受講者ごとに理解の差が生まれます。そのようななかで理解度が低かった受講者に対し、疑問点や不安箇所を解決するフォローアップを実施しないと、理解できないまま業務に移行する形となってしまうことに注意が必要です。
受講者ごとに業務開始のスタートラインが異なってしまうことから、受講しても無駄だった、意味がなかったと思われてしまい、仕事についていけず離職につながっていくこともあります。無駄だったと言われていまう社内研修を回避するためにも、フォローアップの時間を確保しましょう。
無駄にならない社内研修を実施する方法
無駄にならない社内研修を実施したいなら、次のポイントを押さえて研修内容を企画することが重要です。
- 目標や効果を明確化して共有する
- 実践的な社内研修を計画する
- 受講者のレベルに合わせて対応する
まず重要なのが「この研修は〇〇業務の〇〇に役立つため実施する」というように、目標や効果を受講者に伝えることからスタートしましょう。また、社内研修はただ座学を行うのではなく、受講者が手を動かしながら学べる実践的な内容にすることを意識してください。
なお複数名の講師で社内研修を実施する場合には、受講者のレベルに合わせて内容を調整することも大切です。未経験者には基礎から、ひと通りを理解している受講者には応用・実践的な内容を中心に提供するなど、柔軟な研修内容を準備すれば「無駄だった」「意味なかった」と思われにくい社内研修にできます。
社内研修の対応が難しいなら外部研修を活用しよう
「無駄だった」「意味ない」と言われない社内研修をつくるためには、前述したような対策を講じなければなりません。しかし、社内リソースや人材が不足している影響で、うまく対応できないとお悩みではないでしょうか。
それなら、社内研修から外部研修へシフトチェンジするのがおすすめです。
外部研修は、自社対応ではなく外部の研修機関に委託する方法となります。参考として、外部研修を活用するメリットを4つ整理しました。
【外部研修のメリット1】プロの講師がサポートしてくれる
外部研修では、特定の業種に精通したプロが研修を実施してくれます。
例えばプログラミングの研修なら、プログラミングの経験や知識のある講師、営業の研修なら営業のノウハウを持つ講師が対応するというように、プロから直接ノウハウを学べるのが魅力です。
また外部研修の講師は「教える」ことに特化しています。受講者が理解しやすい研修であるほか、理解が遅い受講者をフォローしつつ、同じレベルに育て上げることが可能です。
自社に教育のノウハウがないとお悩みなら、社内研修ではなく外部研修を利用するのがおすすめです。
【外部研修のメリット2】レベルに合うカリキュラムを組んでくれる
外部研修機関のなかには、受講者の知識・スキルに合わせてカリキュラムを組んでくれる場所も見つかります。
受講者が初心者なら基礎の学習、受講者に基礎知識があるなら実践的な学習を実施するなど、その人のレベルに合う学習を提供してもらえるのがメリットです。
複数名の受講者に社内研修を提供する余力がない、サポートできそうにないとお悩みなら、柔軟な研修対応に強い外部研修サービスを探してみてはいかがでしょうか。
【外部研修のメリット3】企業に進捗状況を共有してくれる
外部研修について「社外で研修を受けるため、学習内容がブラックボックスになるのでは?」と不安に感じている人も多いでしょう。ですが実際には、研修の進捗状況や受講者の様子などを定期的に共有してもらえます。
受講者の様子がどうなのか教えてもらえるのはもちろん、学習が遅れ気味の受講者の原因や対策の提案まで受けられるのがメリットです。共有してもらった内容と乖離せずに研修を終えられるので、外部研修に対する不安を払しょくできます。
【外部研修のメリット4】オンライン研修を利用できる
外部研修は次のように、オンラインを含むさまざまな学習スタイルで利用できます。(研修機関による)
- 会場研修
- オンライン研修
- 会場&オンラインのハイブリッド研修
- eラーニング
会場エリアへのアクセス面が良い場合には会場研修を受けるのがよいでしょう。ですが、すべての企業が会場に近いとは限りません。そこで役立つのが会社のパソコンを利用して受講できるオンライン研修です。外部研修のなかには会場研修とオンライン研修の両方をハイブリッドして提供している場所も見つかるので、自社の目的や条件に合うサービスを探してみてください。
また、提供されているサービスのなかには講師から直接教えてもらえる研修ではなく、eラーニング教材として学べる場所もあります。費用面などをチェックしつつ、自社ではどの方法で研修を受けるべきか検討してみてはいかがでしょうか。
社内研修・外部研修の違いを比較
社内研修と外部研修のどちらを利用すべきか迷っている方向けに、2種類の研修方法の違いを整理しました。
社内研修 | 外部研修 | |
---|---|---|
メリット | ・自社のノウハウを直接伝えられる ・研修内容を自由に調整できる |
・社内研修の負担を削減できる ・高品質な研修を安定的に受講できる |
デメリット | ・研修内容によっては無駄が発生する ・社員の負担が増える |
・費用が発生する |
費用感 | 担当社員の人件費 ※時給換算4,000円/時間で1日3時間を20日(1ヶ月より休日を引く)で実施した場合には24万円 |
ひとり当たり20万円/月程度 ※補助金により費用負担の削減が可能 |
研修実施の無駄を回避するためにも、自社に最適な研修方法がどちらなのか検討してみてください。
法人向けのプログラミング研修はAimax IT SCHOOLがおすすめ
社内研修のなかでも、Javaを用いたプログラミングの研修にお困りではないでしょうか。特に技術系の知識・ノウハウは教えるのが難しいほか、学習に時間がかかってしまいます。そのため計画的に社内研修を実施できなければ「無駄だった」「意味がなかった」と言われるケースも少なくありません。
そこで、もし外部研修を利用して効率よくJavaを扱える人材を育てていきたいなら、高度情報通信が提供している外部研修「Aimax IT SCHOOL」をおすすめします。通年で企業受講者を募集しているほか、受講者の知識量やレベルに合う研修カリキュラムを組んでいます。費用や研修内容について詳しく知りたい方は、ぜひ無料相談をご利用ください。